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10 février 2005

安西水丸『手のひらのトークン』

安西水丸の『手のひらのトークン』は、彼の小説の中でもかなり事実に即した小説である。

著者が電通を辞め、ニューヨークにゆくそのストーリーとはじめて体験する異国の生活などが非常になまなましく、かつセンシティブに描かれている唯一の小説だ。ビザの問題でおびえながら暮らした日々やアパートでの人々とのふれあいがまさしく僕は事実に基づいて書かれた小説だと感じた。

引っ越した先のアパートで知り合う絵画を趣味とする老夫婦、小説の中では、シェルダ夫妻となっているが、これは著者の書簡(なぜか持ってる)の中でも登場する実名である。

僕は、実は彼のニューヨーク時代の書簡をかつて読んだことがあるんだけど彼の事実を語る率直な語り口は好感が持てる。安西水丸は、虚構の人ではなく、現実の人である、そう思った。
(1992.7.14)

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