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06 mars 2005

佐野山寛太『現代広告の読み方』

広告の仕事をしていながら、広告の本はほとんど読んでいない。広告のつくりかた的な教科書はときどきめくってみるけれども。
本来、商業的なものは好きじゃないのかもしれない。広告の仕事をしているのもただ絵を描いたり、文章を綴ったりするのが好きで、その創造的な遊びの延長としているだけかもしれない。とはいえ、多少は勉強しなくちゃという気持ちもあるのでまったく読まないわけではない。ほとんど読まない、なのだ。
たいてい広告の本を読むときはさめた目で読む。文春新書の『現代広告の読み方』というこの本も例外ではない。
文春新書の紹介のところでは「広告を読むことは時代を読み、社会を読み、人間を読むことである。現代史の大きな流れのなかで捉えなおした画期的な現代広告論!」とある。たしかに広告表現の話だけではない、時代と社会と人間への広告のかかわり方が説かれている一冊である。単なる広告批評にとどまらない普遍的な物言いもあって、どっしり腰を落ち着けて読むことができた。
時代はこのように変化し、それは広告が変えてきたのであり、広告がメディアにのって時代を変えてきたのである、そこまではよくわかった。では果たして広告はこれからどう時代を変えてゆくのか、時代は広告をどう変化させてゆくのか。それが不明瞭なまま終わってしまったのがちょっと残念な気がした。
(2002.3.28)

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