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10 décembre 2007

福岡伸一『生物と無生物のあいだ』

高校に入って最初の試験で生物はマイナス14点だった。変な先生で正解するとプラスになるだけの問題と間違えるとマイナスされる問題があって、そもそも授業なんて難解すぎてただでさえ聴いていないものだから、そういうしくみのテストだということさえ知らずに受けた。いきなりのマイナスにショックは受けたが、後で方々から聞いてみるとマイナス28点のやつがいて、少しほっとした思い出がある。
その先生は教科書はいっさい使わず、やれ光合成のメカニズムはどうだこうだとか細胞の中を物質はどう行き来するかということだけ毎週話していた(とはいえ、こちらもあまり聴いていなかったから正確なところはわからない)。翌年、郊外にできた新設の都立高に転勤したが、赴任先でもおなじような授業をやっていたらしい。十数年後、その学校の卒業生と知り合いになって、そんな話題になった。
この本がおもしろいと思ったのは文章や構成のうまさのせいだろうと思う。野口英世は忘れられた存在であるとか、次節への持っていきかたなど絶えず読み手との距離を保っている。もちろんタンパク質がどうのこうのしてというのはぼくなんぞには難しくてわからないことも多いが、多少突き放されても、また文章に引き込んでくれるので苦になる本ではない。テストをされてもマイナスにはならない自信はある。

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