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01 mai 2008

ミュリエル・ジョリヴェ『移民と現代フランス』

南仏には中華料理屋が多いように思う。
とはいっても目について、わかりやすいのが中華料理だからそう思っているだけかもしれないけど。カンヌにもあるし、アンティーブにもニースにもある。っていうかそれしか行ったことがない。
どこも共通しているのはフランス人とかアラブ人とかアフリカの人がやってるんではなく、中国かベトナムか、どう見てもアジア人らしき人が経営している(少なくともそう見える)。
フランスは毎年数多くの移民を受け容れているという。とてもオープンな国なのだ。とりわけ旧植民地であるアルジェリア、モロッコ、チュニジアからが多いそうだ。でもってマグレブ人と呼ばれる彼らは正式な滞在許可証を得て、安定した職業に就くまでたいへん苦労するらしい。生活習慣の違いも大きい。なんとも身につまされる本である。
どのくらい身につまされるかっていうと、スタインベックの『怒りのぶどう』、藤原ていの『流れる星は生きている』くらい身につまされる話だ。
この本は各関係者、識者、当事者にインタビューを試みている。その見解をまとめているのであるが、社会学などでよくある手法なのかもしれないが、海外のドキュメンタリーやルポルタージュをテレビで視ているように読める。現代フランスの移民問題を(というか移民をテーマにフランスの社会や制度を問い直すのが主眼だと思うが)するっと巧妙にまとめているなって感じだ。
アンティーブのちょっと気のよさそうな主人もニースの無口なおやじさんもかつては移民だったんだろうか。アジア人は比較的同化しやすいとはいうが、それなりに苦労があったんじゃないかなあと遠く南仏の中華料理屋に思いを馳せるのである。

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