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26 juin 2009

田家秀樹『いつも見ていた広島』

3つ上の姉が高校受験で夜遅くまで勉強していた頃、ラジオでよしだたくろうのパックインミュージックを聴いていて、そのすごさをよく聞かされた。
よしだたくろうはテレビに出ないという。それだけですごいと思った。「人間なんて」という曲をコンサートで何時間も歌い続けるという。これもすごい。「イメージの詩」という曲があって、6分くらいの長さだという。これまたすごい。古い水夫は古い船を動かせないかもしれないが、新しい海の怖さをちゃんと知っているのだという。六文銭のメンバーと結婚する。それで「結婚しようよ」などという曲をヒットさせた。コンサートでは「帰れコール」を浴びせられる…。まあ、何から何まですごいことずくめのシンガーソングライターだった、ぼくにとって。
その吉田拓郎もついに最後のコンサートツアーに旅立った。

この本は広島でバンドをやっていた頃の二十歳前後の、フォークの貴公子と呼ばれる前の吉田拓郎が主人公。小説となっているのである程度脚色されたところもあるだろうけれども、拓郎の青春時代を垣間見られる貴重な資料だ。フォークのたくろうがこうやって生まれたんだなと思わせる叙述が随所に見られる。
田家秀樹は毎日新聞の夕刊にも現在連載を持っているが、日本の音楽シーンのちょっとした歴史家だ。ぼくのような団塊世代の12周遅れの人間にも懇切丁寧に史実を語り継いでくれる先生だ。

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