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07 novembre 2009

柳瀬尚紀『日本語は天才である』

今月は月初めが日曜日なので、この土日に卓球の一般開放がない。そのぶん来週の第2土曜と第3日曜と二日続きになる。卓球のない週末はやることがなく、そういうときは読書もあまりすすまない。精神と身体はやはり緊密に結びついているのだろうか。
ただでさえ、仕事でごちゃごちゃしていて、読みすすめない日々が続いているのに。
柳瀬尚紀と聞くとエリカ・ジョングを思い出す。
が、エリカ・ジョングについては何も思い出せない。買うだけ買って読まなかったのかもしれない。
著者は英米文学の名作を数多く世に出した名うての名翻訳家。いままでそんなに意識したことはなかったけれど、翻訳という仕事は外国語に堪能なだけではだめで、日本語を熟知してければならないはずだ。そうした日本語のエキスパートが語る日本語論。
日本語はもともと外国語を受け容れ、ともに育ってきた言語であるせいか、とても柔軟で翻訳に適している。そのことを著者流の言い回しで、「日本語は天才」といっているわけだ。何が素晴らしいって、この言葉に対する謙虚さが素晴らしい。天才なのは、どう見たってジェームス・ジョイスらの翻訳で知られる著者であるのに、そんな素振りをこれっぽっちも見せることなく、日本語賛美に徹するスタンス。翻訳とは語学力だけではなく、諸外国の歴史や風土に通じているということだけでもない。さりとて日本語をたくみに駆使できる能力だけでもない。母語に対する客観的な視線と、謙虚に向き合う姿勢なのだ。

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