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08 décembre 2009

関川夏央『汽車旅放浪記』

仕事に疲れると旅に出たくなる。
別段、温泉に浸かりたいとか、楽しみを見出す旅ではない。列車に乗れればそれでいい。
昨日仕事で名古屋に行く用事ができた。打ち合わせは夕方から。こんなチャンスは滅多にないと思って、時刻表をめくる。
東京駅発10時33分発の快速アクティー熱海行きに乗り、以後、沼津行き、島田行き、浜松行き、豊橋行き、大垣行きと乗り継げば名古屋着16時58分。こんな理想的な旅はない。
が、現実には昼前から別の打ち合わせを組まれて、あえなく計画は未遂に終わった。

以前『砂のように眠る』という作品を読んで、関川夏央という作家は本格派のノンフィクションライターだという印象を持った。
この本は鉄道マニアを自称する作者が自身の思い出をほどよい味付けにして、文学上描かれた鉄道旅行を追体験するといった内容だ。漱石あり、清張あり、主要幹線あり、ローカル線あり、市電あり、鉄道好き(時刻表好き)にはたまらない一冊。
単なる鉄道マニアと作者の異なるところは精密な調査と文学作品の読み込みがベースになっているところで、ここらへんがプロフェッショナルなんだなあと感心せざるを得ない。
関川夏央はやはり骨太の作家なのだ。

結局、名古屋はのぞみで往復した。時間や利便性を金で買うほど貧しい旅はないと思う。

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