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06 novembre 2010

馬場マコト『戦争と広告』

ITの技術革新というのかな。ここのところ携帯電話の進化がめざましく、なかなかついていけない。
先日ソフトバンクがアンドロイド2.2搭載のスマートフォンを発表した。つい先ごろAUが2.1搭載の新製品を発表したばかりなのに。記者発表時の映像を見ていると今ぼくが使っている1.6などかなり時代遅れな感じがする。
新しくなるものを追いかけていくのはなかなか疲れる。歳をとるとはそういった疲労の蓄積が顕在化することなのかとも思う。
新しいものばかりでなく時には古きをたずねるのもいい。そう思って昭和戦中時代の広告シーンに思いを馳せたこの本を手にとった。
新井静一郎さんが亡くなったのはたしか1990年。当時銀座の小さな広告会社にいたぼくは、上司でありコピーライターであったOさんから銀座の酒場で「惜しい人がいなくなっちゃったんだよ」と思い出話を聞かされた。ぼくと新井静一郎さんに接点があるとすれば、わずかにここだけ、Oさんから聞いたOさんの上司の思い出話だけである。
著者の立ち位置はクリエーティブディレクターであるが、小説なども書く表現の人である。徹底的にドキュメントにする方法もあっただろうし、一方でフィクション化することも可能だったと思う。馬場マコトはあえて忠実に昭和を追いかけた。それは彼の戦争に対する思いがそうさせたのだろうけれども、ぼくはこの史実を物語として、ドラマとして著者が描いたらどうなるだろうと考えた。著者の強い思いをもうひとつ下位の深層レイヤーに配置しなおすことで、昭和戦争広告史はさらにドラマティックな読みものに、うまいたとえが見つからないのけれど、嵐山光三郎の『口笛の歌が聴こえる』みたいな実話的フィクションに変貌したにちがいない。

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