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19 avril 2011

川本三郎『東京の空の下、今日も町歩き』

Inokashira
BSジャパンで水曜日23時から「俺たちの旅」という1970年代半ばに放映されたドラマを再放送している。
中村雅俊、田中健、津坂まさあき(秋野太作)が大学生から社会人になりかけ、やがて今でいうフリーターとして生きていく、団塊世代後の青春物語である。当時高校生だったぼくは、大学生、しかも4年生なんて遥か彼方の遠い世界だと思っていた。その後再放送でもなんども視ているが、その距離感はずっと縮まらないままだった。
昔のドラマや映画を見ていておもしろいのは、なんといってもその当時の町並みだろう。「俺たちの旅」の舞台は吉祥寺、井の頭公園あたりだ。さすがに公園の風景は大きく変わったとは思えないが、近接する住宅地は妙に懐かしい。
町歩きの楽しみはまさにそんなことなのではないかと思う。
町を歩いていて、子どもの頃、あるいは学生時代に普通に眺めていた景色にふとしたきかっけで出会えたりすると得も言われぬ喜びを感じてしまう。そんなときかつて見たこの町をぼくは当時と同じ気持ちで眺めているのだろうかと自問する。ぼくの心は古びたモルタルの木造アパートではなく、どこにでもある無難な鉄筋マンションに変わってしまっているのではないかと。
町歩きを通じて、見出すものは決して、古き良き町並みや建造物だけではない。などと思いつつ、今日も川本三郎とともに町歩きに出かけるのである。
「俺たちの旅」では主人公のカースケ(中村雅俊)が事あるごとに既成社会の大人たちと対立する。昔はそんな彼に感情移入して視ていたものだが、今視ているとどうもその青臭さが鼻につく。いやな大人になったものだとつくづく思う。

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