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22 octobre 2011

林芙美子『めし』

東京六大学野球秋のリーグ戦も大詰めを迎えている。4年生にとっては最後のシーズンとなる。
が、今日はあいにくの雨。試合開始時間を遅らせるなど主催者側も懸命の努力をしたが、やはり雨には勝てない。
どの本だったか忘れてしまったが、林芙美子を読むようになったのは鉄道に関する本がきっかけだったと思う。
林芙美子がシベリア鉄道で単身パリに渡った話を何かで読んで、『下駄で歩いたパリ』を手にし、以降、『放浪記』だの『浮雲』だのを読んだのだ。ずいぶん荒削りな文章を書く作家だなと当初思っていたけれど初期の作品に比べると『浮雲』などは文章も洗練されて、小説家としての風格を感じさせる。
『めし』は林芙美子の未完の作品で朝日新聞連載中に彼女は絶命した。その最後の作品を読んでみたいと思ったのだ。
古書店などまわってさがしてみたものの、新潮文庫版は見つからず、かといって全集で読むのも旧仮名が難儀だ。新潮社では電子版というのをインターネットで販売しているが、それもあまりに味気ない。そう思っていたところ、九段下の千代田図書館にごく普通に置かれていた。まったくノーマークだった。
成瀬巳喜男監督の映画では上原謙と原節子が共演していた。実家に戻った三千代の降り立った駅は南武線の矢向だった。茶色い省線電車がガードの上をゴトゴト走っていた。茶色い、無骨な国電(さらに古い世代の人は省線電車と呼んだそうだ)を知らない人たちはこのモノクロームの映像に映る昔の電車にどんな色を思い浮かべるのだろう。
映画ではそれなりに結末がある。林芙美子は原作でどのような結末を想定していたのだろうか。

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