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30 janvier 2012

高峰秀子『わたしの渡世日記』

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仕事で静岡は清水にいる。
駅を降りると富士が見え、遠くに造船所らしき建物が見える。三保の松原もその辺りだろう。どのみち海の町だ。
高峰秀子の、人気女優としての全盛期を知らない。
昭和30年代に生まれた世代にとって人気女優といえば吉永小百合をはじめとした戦後世代だろう。
とはいうものの昨年あたりから(遅ればせながら)成瀬巳喜男や木下惠介の名作をDVDで観るようになった。去年観た映画のなかで個人的にはナンバーワンと思った「浮雲」、「流れる」はいずれも高峰秀子が出演していた。とりわけ「浮雲」には心打たれた。
木下恵介の本邦初のカラー作品「カルメン故郷に帰る」にも度肝を抜かれた。有吉佐和子原作の「恍惚の人」(ものごころついて以降公開された映画として)はぼくたちの世代にとっては高峰秀子を知る絶好の機会であり、それもかなりのインパクトを与えながらその存在感を示したといえるだろう。
松山善三、高峰秀子の家はまだ麻布にあるが(当初建てた家を建てなおし、こぶりになったそうだが)、彼女が生きてきた鴬谷、大森、成城、麻布今井町あたりには今でも昭和の面影が残っているような気がする。
さて、本書であるが最初の出版から文春文庫を経て、このたび新潮文庫から再デビューした。語り継がれ、読み継がれるべき名著だと思う。
学校教育に恵まれなかった高峰秀子は彼女の人生そのものから人生を学んだのだ。

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