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21 février 2012

デレク・ウォール『緑の政治ガイドブック』

ツイッターで筑摩書房をフォローしている。
新刊の出る前あたりになるとあれやこれやとつぶやきはじめる。もともと興味のあるものを読み、ないものは読まないわけだから、はなから関心外のツイートは流している。それでも不思議なものでなんども取り上げられていたり、誰かのツイートにRTしていたりすると興味のないものにも興味が生まれてくる。そんなこともたまにある。
緑の政治とか緑の党なる、知らないでいれば単なるユートピアが実は20世紀後半から具体的なムーブメントとして萌芽しはじめていたことを本書で知る。先行きの見えなくなったグローバル資本主義の成熟に対し、緑の政治は経済成長本位の社会から脱却し、社会的公正を実現し、そしてあらゆる生命体と共生していくための気候変動に対する方策を具現化していく。
この本は緑の政治をめぐる地球各所での実践を網羅したまさにガイドブックだ。いわゆる概論的な内容で物足りない人には物足りない(だろう、たぶん)。とはいうものの世界の、地球の現況を憂え、しかもこの先不安をかかえたまま生きてゆかざるを得ない人びとにとってはまだかすかではあるが光明たり得る内容であるといっていい。
世界には人間の邪悪な部分がいくらでもあり、そうした邪な心が地球を滅ぼしているのではないかと思った。このガイドブックを読む限り、緑の政治を推し進める人たちは人間をあくまでも善なるものととらえているように見える。そういった人間観はなににもまして素晴らしいことだと思う反面、緑の世界を実現する上で大きな障壁として立ちはだかるのではないかと不安な気持ちにもなる。もちろんガイドブックに目を通しただけの初学者の杞憂なのかもしれない。今後さらに読み続けていきたいテーマである。
この本をひときわ魅力的にしているのは巻末に収められた鎌仲ひとみと中沢新一による対談だろう。世界各地でムーブメントとなっているこのテーマを見事に着地させている。

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