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05 janvier 2013

岩下明裕『北方領土問題』

Machiya
荒川区の町屋を歩いてみた。
高村薫の『マークスの山』に町屋が登場する。水沢裕之が働いていた豆腐屋が町屋なのだ。
町屋には以前来たことがある。厳密に言えば、東尾久という町に、である。
Kは高校時代バレーボール部でいっしょだった。無口で武骨な男だった。特に何か気が合うとか、共通する趣味、嗜好があるとかいうわけではないが、部活動以外でも行動をともにすることが多かった。高校からほど近い神田の中学校を出たKは駿河台下や神保町あたりの飲食店をよく知っていて、練習の帰りに時間をつぶしたものだった。
高校卒業後、Kは北海道の大学に進み、会える機会も少なくなったが、それでも夏休み、冬休みに帰ってくるとさほど積もる話もなかったにもかかわらず、よく酒を飲んだ。ある夏の日、飯田橋から、御茶ノ水、上野と飲み歩き、最終電車もなくなった。タクシーに乗ったのか、歩いたのか当時でさえ記憶があやふやだったのに、今思い出すことなどできるわけがないのだが、その夜は町屋のKの家にたどり着いた。そこでさらに飲んだのかももちろん憶えていない。
朝、都電の走行音で目をさました。Kの母親のつくった朝食をごちそうになり、都電の専用軌道に沿って町屋駅まで歩いた。太陽はすでに高く、真夏の日差しが荒川の町を焼いていた。
仕事の関係で不勉強なジャンルである領土問題の本を読んでみた。
領土問題というと根源からして混沌とした話で、つい精神論的なナショナリズムの高揚次第ということと思われがちだが、この本はその点、やけに冷静で、たとえばロシアと中国の国境画定の経緯などを範として(もちろんそれが日本とロシアの国境問題に直結するとは限らないのだけれど)わかりやすく説いている。勉強になる。
というわけで、2013年もブログ続けます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

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