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06 mai 2014

野地秩嘉『TOKYOオリンピック物語』

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昨日閉幕した世界卓球団体。
日本チームは男子銅、女子銀とその健闘は称えられるべきではあるが、その一方で相変わらずの中国一強に対して次につながる収穫があったのかどうか。準決勝を突破した女子は挑戦権を獲得したものの、男子はドイツに敗れ、対戦すら叶わなかった。アジア、ヨーロッパにも強豪国が多い中でのメダルはたしかに健闘だろうが、今大会がこれからの卓球世界地図を刷新する礎となったかどうかは甚だ疑問だ。
テレビ中継では決勝の女子中国チーム以外、中国卓球をほとんど放映していない。世界最高水準のレベルが来日しているのに日本のマスコミや卓球関係者は何を考えているのだろう。中国の強さを広く紹介することで日本の卓球との差を認識し、共有することがその仕事ではないのだろうか。マスコミ報道が徹底的に中国卓球の強さの秘密に迫ることで視聴者も日本卓球に対する見方が当然厳しくなるはずで、こうした裾野のファンのレベルアップが日本卓球のレベルアップにつながっていくという見方も大げさではあるまい。
たとえば男子決勝ではドイツのティモ・ボルが張継科(チャンジーカをチョウケイカと呼ぶのもいい加減やめたらどうか)に一矢報いたが、こういう試合はやはり放映するべきだったろう。なぜボルが勝てたのか、張継科はどう攻められると弱いのか。水谷や丹羽にボルと同じ戦い方ができたのか。マスコミ、ジャーナリズムも一体となって戦わなければ正直言って2020年を過ぎても日本は、あるいは世界は中国に勝てないだろう。そうした気概を彼らは持っているのか。
この本は64年のオリンピック東京大会を支えた人々を紹介している。グラフィックデザイナー、警備会社、ホテル料理長、コンピュータ技師など。アスリートたちの下のレイヤーにスポットを当てた作品だ。彼らは決して縁の下の力持ちではない。東京オリンピックという戦後最大の舞台で活躍した主役たちである。
それにしても中国チームのゲームをほとんど放映しなかったのはビートルズが来日したのにドリフターズだけしか中継しなかったみたいなもんだ。


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