その他の本

30 décembre 2012

今年の3冊2012

Gundam
昨年に比べて今年はそれなりに読んだと思うのだけれど、如何せん無精でこのブログに書き起こせていない本が数多ある。
それらは来年に繰り越しということでいつの日かひのめを見るときをお待ちいただきたい。
読書メーターには今年の20冊をまとめているが、ここはあくまでこのブログ上でのベスト3を揚げる。

佐々木俊尚『「当事者」の時代』
幸田文『おとうと』
川端幹人『タブーの正体』

佐々木俊尚は立ち行かなくなった現代マスコミの言論分析からマス、ネットを含めた広い意味でのメディア空間の先行きに光を当てている。幸田文は隅田川沿いを歩きながら、ふと読んでみたいと思い立った。『タブーの正体』はおそらくこれからの日本の報道の方向性が示唆されている一冊だと思われる。
2012年も暮れを迎えている。来年はもう少し読み、もう少し書き、ほんのわずかでもいいから何かを残していきたい。


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23 novembre 2012

北真也『クラウド「超」活用術』

Futaba1
大井町線のガード下はずいぶん趣きが変わった。
かつて飲食店や食料品の店が並んだ細い商店街が区画整理され、広い通りになっていた。ガード下にはスナックや居酒屋、定食屋の名残は残ってはいたが、向かい側の店はすっかり道路になってしまったのだ。まるでダムのなかに沈められた集落みたいだ。そしていまやガード下の店も住人も立ち退きを要求されているらしい。すでに解体がはじめられているところもあれば、窓際に抗議の横断幕を提げている家もある。店はどこもベニヤ板でふさがれていた。いまどんな事態になっているのかはここで語る立場ではないが、なつかしいこの町の風景がこれ以上なくなってしまうのは如何ともしがたい思いだ。
このガード下をさらに進むと下神明駅がある。かつて、なかにし礼が住んでいた品川区豊町という町がある。

 下神明の駅から大井町まで電車のガード下の細い道をぶらぶら歩いた。
 いつまでもつづく緩やかな登りの坂道だった。
 電車でひと駅の距離であったが歩くと十分かかる。(なかにし礼『兄弟』)

さてクラウド本も次々に出ているので、できれば新しいものを読みたいとは思うのだが、正直いってどれを読めばいいのかなかなか判断がつかない。Webで達人たちの記事を拾い読みするという方法もあるんだろうけど、一冊通して読むほうがわかりやすい。そういう野暮な期待にこの本はじゅうぶん応えてくれているんじゃないか。

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26 septembre 2012

リンクアップ『今すぐ使えるかんたんmini Dropbox基本&便利技』

新宿駅を出た湘南新宿ラインは山手線と沿うように大崎駅まで行く。大崎を出ると東海道新幹線と横須賀線のガードをくぐって、大きく右手にカーブしていく。それまで並行していた山手線は左に曲がって品川駅をめざす。湘南新宿ラインの左車窓から見えるのがJR東京総合車両センター。かつては国鉄大井工場と呼ばれていた。
しばらくすると湘南新宿ラインは東急大井町線下神明駅付近で先ほどくぐった横須賀線と合流する(ほぼ垂直に交差した線路がすぐ合流することに違和感を感じるのだが)。そこにポイントがあるのだ。住所でいえば品川区西品川一丁目。
今の横須賀線は品鶴線という貨物線だった。文字通り、品川と横浜の鶴見を結んでいた。昼夜を問わずEF15とかEH10など武骨な電気機関車が牽引する貨物列車がガタゴトと走っていたのだ。モータリゼーションの波にのまれ、鉄道貨物が衰退するまでは。
下神明にあるポイントは常磐、千葉方面からやってくる列車と東北、上信越方面からの列車を合流させて関西方面に送り出す役割を果たしてきた。逆向きに考えれば、九州や西日本からやってくる貨物列車を汐留、越中島、亀戸方面と新宿、赤羽方面へと荷分けするポイントでもあったのだ。
昨今クラウドコンピューティングの話題が多い。乗り遅れないよう、いちおう基礎的な知識はインプットしておかなくちゃと思うのでこういう本も読む。横書きの本は読みにくいし、図版の多い本は文章と図を往復するのに疲れる。クラウドの力でもっと簡単に読めないかとも思う。
Dropboxはなかなか使い勝手のいいオンラインストレージで、ドキュメントや写真、資料動画などを保存している。この手の本やネット上の記事を丹念に読んでいる人はもっと便利に使っているにちがいない。まあ、焦らず、使えるところから使っていこう、くらいのゆるい態度で接しているが。
山手線と並行する貨物線は埼京線となり、品鶴線は横須賀線になった。貨物列車は遠い記憶に中で今も走り続けている。

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19 août 2012

倉下忠憲『EVERNOTE「超」知的生産術』

今回のオリンピックはあまり観なかった。
柔道と卓球の団体戦くらいだろうか、ライブで観戦したのは。
卓球男子単は世界選手権に続いて張継科が優勝。王皓は3大会連続の銀メダルに終わった。王皓という選手はペンホルダーの裏側にラバーを貼って、そこからも強打を繰り出す、いわゆる裏面打ちペンホルダーの選手。中国はもちろん、日本でもこのタイプのプレーヤーは少しづつだが、増えている。
ペンの弱点であるバックハンド側に来た下回転のボールをドライブ打ちするために考えられた裏面打法自体はそれなりに歴史があって、中国では名選手を生み出しているが、王皓のそれはちょっと違う。それまでの裏面打法の選手は守備的なショートはフォア面を使い、下回転に対するドライブやチャンスのときの強打にのみ裏面を使ってきた。馬琳や韓陽がそうだ。それに対し、王皓はショートも含め裏面を多用する。つっつきも裏面を使うことがある。そういった意味では王皓はニュータイプの裏面ペンホルダーのプレイヤーなのだ。
王皓は前々回の世界選手権でようやく優勝したものの、その後の若手の台頭に苦戦が続いていた。そして今回のオリンピック。3大会連続の銀メダルは3大会連続で決勝で敗れるという屈辱ではなく、3大会にわたってオリンピック男子シングルスの出場枠を勝ちとった結果であり、長年にわたってニュータイプの裏面ペンホルダーというパイオニアでありつづけた結果でもある。
いずれ王皓をプロトタイプとしたすぐれた選手が出てくるだろう。王皓が真に評価されるのはそのときだと思っている。
今回読んだのはEVERNOTEに関する本。この記事の下書きもEVERNOTEを使って書いてみた。

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31 décembre 2011

今年の3冊2011

Ueno_keisei
今年は月8冊強で年間100冊を目標にしたのだが、なかなかどうしてそんなに読めるものではない。おそらく昨年より量は減っているだろう。もともと本を読むのははやくない方なのでこんなもんといえばこんなもんだ。
それにしても今年はいい本を選んで読んだと思う。こうして1年を振りかえってみると表題のごとく3冊に絞るのが難しい。
先日読書系のソーシャルメディアである読書メーターでそれなりに順位をつけてみたのだが、どうも納得いかない点が多い。いまだ悩んでいるのだ。
奥田英明『オリンピックの身代金』は読み応え十分な長編だった。今年の1位にふさわしいといえる。今まで読まず嫌いなところもあったレイモンド・チャンドラーも捨てがたい。アメリカ文学自体が久しぶりの体験だった。
町歩きをするようになって川本三郎を多く読んだ1年でもあった。『我もまた渚を枕』には町歩きの真髄を教わった。その影響か、戦前戦後の日本小説にも手を伸ばしてみた。林芙美子『浮雲』、幸田文『流れる』、芝木好子『洲崎パラダイス』などとの出会い。もちろん司修『赤羽モンマルトル』や半村良『葛飾物語』なども東京ならではの名著といえる。
一方で今年は震災の年だった。吉村昭『三陸海岸大津波』、『関東大震災』のリアリティはすさまじかった。
ということで今年は結論らしきものを導けない1年だったのだが、あえて3冊というなら、次のようになるかもしれない。

奥田英明『オリンピックの身代金』
実相時昭雄『昭和鉄道少年』
林芙美子『浮雲』

実はすでに読み終わっているのだが、ブログ化していない飯田哲也『エネルギー進化論』と半村良『葛飾物語』は実に捨てがたいのでここに記しておくことにする。

今年もお立ち寄りくださった方々、ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。

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16 décembre 2011

吉良俊彦『嘘の破壊』

東京都立日比谷図書館が千代田区立日比谷図書文化館として先月生まれ変わった。
先日、赤坂檜町から麻布今井町、麻布市兵衛町を散策したのだが、霊南坂を下って虎ノ門に出たときふと思い出し、そのまま日比谷公園まで足をのばした。
基本は内装(館のコンセプトも含め)が新しくなっただけであの菱餅をふたつに切ったような三角形の建物の外観に変わりはない。建物の中央に角ばった螺旋形階段があるのも変わっていない。もちろん床も壁面も書架も真新しくなっている。三階に机と椅子があって、二階に貸出カウンターがあって、地下に食堂とホールがある。基本的な組み立ては変わっていない。変わったといえば千代田区がいかにも民間を活用していますといった雰囲気をただよわせている地下の食堂か。
昔は学生食堂のようなひなびた食堂だったのが、しゃれた喫茶店のようなスペースになっている。店の名前も“Library Dining”。ちょっと入るのが恥ずかしい雰囲気である。まあメニューにビールが加わっているのはありがたいことだ。
吉良俊彦の本は三冊目。
前著『1日2400時間吉良式発想法』の続編ともいえる内容で、相変わらずスピード感がある。説得力がある。何よりも熱い気持ちがある。こういう本を通じて若い人たちがコミュニケーションスキルを磨くってすばらしいことだなあと思うのだが、それは吉良さんが先輩だからかなあ。

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21 novembre 2011

寺西廣記『foursqareプロモーション』

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今年のプロ野球日本シリーズはソフトバンクの優勝に終わった。中日も中日らしい守り勝つ野球で徹底抗戦したが、最後は投手のコマが足りなくなったようだ。
それにしてもオレ流野球というかオチアイムズというべきか、勝つことに固執した落合野球はたいしたものだ。落合博満という人は内に秘めた闘志を決して表に出すことなく、勝負に徹する。そのスタイルは現役時代から変わらない。派手さはない。パフォーマンスもない。スポーツは結果がすべてであるかのように割り切っている。そのあたりは嫌いじゃない。ただ、選手たちも同じようにクールでいるのはいかがなものかと思うのだ。
7戦すべてを観たわけではないが、気がつくとソフトバンクを応援していた。ワールドベースボールクラシックで活躍選手が多くいたせいかも知れない。残念ながらドラゴンズにはひとりもいなかった。
TwitterやFacebookなどソーシャルメディアをいくつか試しているが、いちばん頻繁に利用しているのがfoursqareだ。スマートフォンの普及でユーザも増えている。
この本はfoursqareを活用したビジネスのヒントを概観しているが、foursqareそのものがまだまだ未開拓なメディアであるせいか、ひととおりの話に終わっている。企業や商店でこう使ってみたらどうだろう的な話にとどまっているのだ。
アメリカでの成功事例の紹介やトータルなコミュニケーション戦略の中でどう活かしていったらいいのかという視点が紹介されればますますfoursqareは盛り上がるだろうと思う。そのためにも今後筆者は孤軍奮闘するより、専門分野の人を集めて共著というスタイルで裾野を広げてみたらいいのではないか。
誤植が多いのは残念だったが、このメディアには大きな期待を寄せている。


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23 juillet 2011

中竹竜二『リーダーシップからフォロワーシップへ』

Voices
フォロワーシップという言葉に新しい何かを感じた。
組織はリーダーとフォロワーから成る。一般には強いリーダーのいる組織は強く、リーダーシップに欠けるリーダーが率いる組織は弱いといわれる。カリスマ指導者といわれた元早大ラグビー部監督清宮克幸が退いた後監督に就任した中竹竜二は本人も認めているように(どちらかといえば)強いリーダーシップを発揮するタイプの指導者ではなかった。ところが中竹はカリスマ性がなかったかわりに卓抜した理論を持っていた。
それがこの、フォロワーシップという発想である。
中竹監督率いる早稲田ラグビー部は決して弱くはならなかった。2006~2009年までで大学選手権優勝2回、準優勝1回。まったく恥ずかしくない戦績である。
冒頭「組織はリーダーで変わる」のと同様に「フォロワーで変わる」と打ち出している。この考え方が実に現代的である。個人の持ち味を組織に活かす、そのために今必要とされるのは組織を“あるべき姿”へ引っ張っていくリーダーシップではなく、個のスタイルを組織の中に浸透させ、確固たる組織のスタイルを構築する、いうなればフォロワーを育てるリーダーシップなのだ。
中竹メソッドはこのほかにも、スキルよりスタイルを重視する姿勢、成功よりも成長を重視する見方、できる人とすごい人の差などフォロワーシップを支える独自の視点をふんだんに備えている。後日、あらためて熟読してみたい一冊だ。

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19 juillet 2011

村上たかし『星守る犬』

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先週の土曜日は高校バレー部のOB会があり、ブログを休んでしまった。
今月は土日が5回ある珍しい月なので、一回くらい休んでもいいんじゃないかとつい気がゆるんでしまった。
で、今日ご紹介するのは村上たかしの『星守る犬』である。
その前にOB会の話だが、例年昼の部、夜の部の2部構成で行われていて、昼の部はOBどうし、あるいは現役高校生らと母校の体育館でバレーボールを楽しむ。夜はしかるべき場所で酒を飲みながら思い出話を楽しむというきわめて立体的な構造のすぐれた会なのである。
ここ数年、ぼくは夜の会に気持ちを集中させるべく、昼の部にはやや距離を置いていた。今年はどういうわけか、バレーをやってみたくなった。たぶん新しいシューズを3年前に買って、ようやく足に馴染んだせいだろう。おしゃれは足もとからというけれどやる気も時には足もとからなのだ。
駅から炎天下の道を歩いて名前も校舎もシステムも新しくなってしまった母校(元母校といった感じか)にたどり着き、3年前に買った新しいシューズを履いて、体育館に入った、数年ぶりに。
『星守る犬』は先月公開された映画の原作になった漫画である。ちょっと哀しい男と犬の物語だ。
実は最近、わが家にも小さな犬がいるので(そのことはまたいずれお話しするとして)、ちょっと冷静に読みとれないところも多々ある。
それはそうとして、体育館に冷房が入っていたのにはおどろいた。

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12 juillet 2011

偉関晴光監修『世界最強中国卓球の秘密』

Xuxin
先の週末、神戸で開催された卓球の荻村杯ジャパンオープン男子単で岸川聖也が初優勝した。
中国の一線級選手の参加がなかったものの、コルベル、呉尚垠、荘智淵ら名プレイヤーも参加した大会であり、しかも決勝の相手が水谷隼だったことを考えるとさほどレベルの低い大会とも思えない。しかも松平賢二、荘、丹羽孝希を破っての決勝進出。大きな自信になったに違いない。おそらくは世界選手権の16強から8強クラスの活躍だったといえる。
そして今回4強に残った日本選手の上空に君臨しているのが、中国の選手たちだ。先の世界大会でチャンピオンになった張継科をはじめ王皓、馬琳、馬龍、王励勤、許昕と世界ランキングトップ10に6人をランクインさせている卓球王国である。7月発表のランキングで水谷が王励勤、許昕より上位だったとはいえ、直接対決したら結果はどうなるかわかったものじゃない。中国卓球の強豪選手は単に試合で結果を残す以上のポテンシャルを秘めているような気がするのだ。
そんな中国卓球の秘密を解き明かすべく、卓球仲間のKさんに借りて読んだのがこの本。タイトルからしてベタベタだ。監修者の偉関晴光はソウル五輪の金メダリスト。後に日本に帰化したが、まさに中国卓球の真髄を知る人だ。
さまざまな卓球技術を中国語(漢字)で紹介し、解説を加えている。中国卓球の強さの秘密は微妙な技術の差を表現できる“言葉”にあったのかもしれない。
本書の教えの通り練習したら、卓球も漢字も相当上達するにちがいない。

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